気仙茶というお茶をご存知だろうか。陸前高田や大船渡で自家用に作られ、市場にはほとんど流通しない幻のお茶である。お茶栽培を行なっている最も北のエリアということで「北限のお茶」とも呼ばれている。手揉みされた茶葉をそのまま食べると香りがふわっと広がったあと、独特の苦味が口に広がった。しかしお茶として飲むと爽やかな甘みが余韻としても残るそうだ。

江戸時代に陸前高田の地に植えられた茶の木が地場化し在来種となった。畑の縁に沿って一列に植えられていること、手摘みしていること、肥料は使わず自然のままで育っていること、葉が小さいので虫がつきにくいのが特徴だ。そのため有名なお茶の産地でよく見かけるような茶畑ではない。また一般的な茶畑では結実すると味が落ちるため花が咲く前に刈ってしまうので、お茶の花や実を見たこともないお茶農家も存在するらしいが、ここではお茶の花が咲き、実があちこちになっている。

「震災で茶畑はだいぶ減ってしまったし、区画工事や道路拡張工事でさらに刈られてしまったけれど、気仙茶の存在を特に地元の人に知ってもらいたい。そして伝統を一緒に受け継いでくれる人が増えてくれれば」

北限のお茶を守る気仙茶の会 及川慎治さんは語る。実際に畑を見せていただくと、静岡で見かけるような茶の木がぴしっと整列した畑ではなく、野菜畑やビニールハウスを挟むように敷地の縁に沿って茶の木が一直線を描いている。そこには茶の木を住処とする虫たちの営みがあり、蔓が伸びて茶葉の間から顔を出している。人の手が入っていると分かるのは茶摘みの跡だけだ。

「昔は敷地にポツンと茶の木があって、葉を摘んで食べたりしていたんです」

及川さんが幼い頃は家族で気仙茶を囲むこともあったそうだが、それほど身近だった気仙茶も今では地元の人でも知らない人がいるほどになってしまったとのこと。そこで学校に働きかけ地元の中学生たちに茶摘み体験をしてもらい、若い世代に気仙茶を知ってもらおうと働きかけている。

「お茶の専門家も気仙茶はとても珍しいと驚いていました。量もそれほど採れないし一番茶ばかりだから確かにレアものとして売ればいいかもしれない。しかしなによりも気仙茶というものがここ陸前高田にあること、地元の伝統として気仙茶を守っていく活動をしている人たちがいることを、まず地元の人たちに知って欲しい」

気仙茶に対する思いを語りながら、一芯二葉を見つけると嬉しそうに手を伸ばす及川さん。昔ながらの手もみの他、農協の機械を借りて精茶もしており「また明日来て摘まないとなぁ」とつぶやく。

「次に陸前高田に来るときにはぜひ茶の花を見てください。小さな白い花が咲くんですよ」

見たことがないので茶の花を見てみたい。しかし花より団子、次回はぜひ気仙茶も味わってみたいものである。(及川さん、すみません)


北限の茶を守る気仙茶の会
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