風景写真の撮影のため茨城県に行きました。
稲刈りが終わって冬眠に入った田んぼ、青々と茂った白菜やキャベツ、
朱く輝く南天などを、歩きながら撮影していました。
そこにいらした畑の持ち主の方にお声がけして、土から顔を出した大根を撮影していたら、
「おーい、カメラマン」
と天から声が。振り向くと梅の木の上にご年配の男性がいました。
「俺の写真撮ってくれや」
綺麗に咲かせるために大きく伸びた枝を切るのだそう。
そんなわけで遠慮なく作業風景を撮影させていただきました。
「俺の木じゃないんだよ。だからこれも切っちゃえ、なんでも切りゃいいんだよ」と
太い枝もお構いなしにのこぎりでギコギコ。
先ほどの大根畑のオーナーさんとはご友人で、頼まれて切っていたそうです。
何枚か撮らせていただいてお礼を言ったら「好きな大根、抜いていけ」と。(自分の畑じゃないのに!)
オーナーさんも「太いのを抜いていけよ」とお声がけくださったので1本抜いたのですが
「それ小さい!ダメだな〜」と大きいのを2本ほど抜いてくださり、新鮮な大根を3本もいただいてしまいました。
「俺、⚪︎⚪︎って言うんだ。今度ここに来たらポストに写真いれとけ」
はい、もちろんです!
すっかり冬景色の里山ですが、心に暖かい風が吹いた出会いでした。
*ご本人の承諾を得て掲載しております。