四国からの帰り道、三重県の御在所SAで「車に乗せてください」と声をかけられた。
聞けば北海道からヒッチハイクで旅をしていて、その帰り道とのこと。
地元を出たいと思っていたのに、いざ出てみたら早く帰りたくなってしまった。
京都まで行ってそこから四国へ行くか迷ったけれど、やっぱり早く帰りたくて…
照れながらそう話してくれた20歳のその青年にとって、今回が初めての道外旅行だったそう。
約10日間の旅を通して気づいたのは、あんなに出たいと思っていた地元への愛着だったらしい。
たった1人でヒッチハイクをしながら旅をする。
憧れの救命士になるか実家の農業を継ぐか迷っている。
自分が20歳だったころ何を考えていただろうか、とふと思う。
すごいなぁと、ただただ感心。
目の前に広がる駿河湾に、初めて食べる浜松餃子やうなぎパイに、
夜空に光るコスモクロックに、歓声が漏れ聞こえる横浜スタジアムに、
「すげー!」と写真を撮るその姿に、どこか懐かしさを覚えた。
将来の話、恋愛の話、友達の話、家族の話、旅の話。
デジタルネイティヴ世代にジェネレーションギャップを感じつつ、たくさんの話をしながらの300km。
今夏一番の印象深い出来事かもしれない。とても楽しかった。
ちなみに横浜でお別れした後、東海道線で東京駅へ。
そこから夜行バスに乗りフェリーで函館へ渡って、家まで2台乗り継いで無事に帰宅。
初めてのヒッチハイクの旅では計19台にお世話になったとのこと。
こちらの方がもらったものが大きい一期一会だった。
今回の旅が彼のこれからの人生の糧になることを祈っている。